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スピッツさんの「優しいあの子」を私的に解釈

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スピッツさんの「優しいあの子」は、連続テレビ小説「なつぞら」主題歌として流れていた曲です。
「なつぞら」は、戦争孤児となった奥原なつが、父の戦友に引き取られ北海道・十勝の雄大な大自然に育まれ、草創期の日本アニメ界でアニメーターを目指す物語。
そんな北海道育ちのイメージと重ねながら、「優しいあの子」の歌詞を私的に解釈していきたいと思います。

重い扉を押し開けたら 暗い道が続いてて
めげずに歩いたその先に 知らなかった世界
氷を散らす風すら 味方にもできるんだなあ
切り取られることない 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい ルルル…

引用元:スピッツ「優しいあの子」作詞:草野正宗

重い扉は、誰でも簡単に明けられるような扉ではなく
固い決心とともにこじ開けるような険しい道の入り口の喩え
その先の道は出口の光さえ見えない暗く長い道程
そんな暗闇にもめげずに進んだその先に待っていたのは
知らなかった世界

暗い道を進む中で吹きすさんでいた 氷を散らす風すら
辿り着いて思いかえれば この地への道標だったと感じる

辿り着いた知らなかった世界には
切り取られることのない 丸い大空が広がっている
自分の心が切り取って見てしまっていた景色が
すっかりその様相を変えて 今この目に映っている

その色を 優しいあの子にも伝えたい

口にする度に泣けるほど 憧れて砕かれて
消えかけた火を胸に抱き たどり着いたコタン
芽吹きを待つ仲間が 麓にも生きていたんだなあ
寂しい夜温める 古い許しの歌を
優しいあの子にも聞かせたい ルルル…

引用元:スピッツ「優しいあの子」作詞:草野正宗

辿り着くことを 何度となく 夢焦がれてそして叶わず
打ちひしがれながらも 微かに灯る火を胸に
辿り着いたコタン(集落)には
結実の日を待つ仲間が 麓にもいた
孤独で暗い心を灯す 古人からの励ましの歌

その音色を 優しいあの子にも伝えたい

怖がりで言いそびれた ありがとうの一言と
ひなたでまた会えるなら 丸い大空の色を
優しいあの子にも教えたい ルルル…

引用元:スピッツ「優しいあの子」作詞:草野正宗

言葉にした途端 消えて無くなってしまう
暗く険しい道の途中で出逢えた儚い幻となるのが怖くて
言えなかったありがとうの一言と

陽が差すこの何の変哲もない日常の中で
また出会えたのなら

この素晴らしい世界のすべてを
優しいあの子にも伝えたい

 

まとめ

「優しいあの子」とは
「覚り」を求め進む旅で現れた同行者
暗く険しい長い道程を共に進み
ついに辿り着いたと思った途端に
消え去ってしまった

優しいあの子は 自分が築き上げた幻
それを認めるのが怖くて言えなかった
でも自分自身で狭めていた空の景色
孤独で独りよがりな日々から抜け出し
自分と同じような心を持つ者がいることを知った

目の前の視野がパッとひらけ
日常の世界が色鮮やかに輝き出す

暗闇で共に歩んで来た「優しいあの子」に
何の変哲もない日常で見た
丸い大空の色を見せてあげたい
また会えたのなら 伝えたい
「ありがとう」と

 

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