欅坂46

欅坂46さんの「黒い羊」を私的に解釈

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欅坂46さんと言えば、メッセージ性の強い楽曲が多いグループという印象があります。8thシングルのタイトルは「黒い羊」です。
多くの白い羊の中にいる「黒い羊」は珍しい 奇異な存在。
そこから「厄介者」としての意味合いを含んで使われることがあります。

それでは「黒い羊」を私的に解釈していきたいと思います。

信号は青なのか緑なのか

歌い出しが 信号の色が青なのか緑なのか? どっちなんだ で始まる。
あやふやなものは、はっきりさせたい と続きますが、
「はっきりさせたい」 のか 「はっきりさせたい?」では解釈が異なってきます。
信号の色が青なのか緑なのかという、言ってみればどちらでも構わないことを細かい事が気になる杉下右京ばりに「はっきりさせたい」のかそれとも
どちらでも構わないことまでも「はっきりさせたい?」と問いかけているともとれる。

「黒い羊」として孤高に生きていくかどうかに揺れる自分の想いを「はっきり」させたい。
「黒い羊」か「白い羊」かは信号が青なのか緑なのかと同様にどちらでも良いことだと自分は思っている、それでも「はっきりさせたい?」

私的な解釈では 後者の「はっきりさせたい?」、他者との違いを認めずにどちらかに統一しなければならないのかと疑問を呈していると解したい。

全員が納得する答え

放課後の教室で群れているだけで 何となく分かり合えてるような気になるなんて無意味。けれども 言いたいことを言い合っても上手く解決できる訳でもない。

そもそも違う色を一つにしようなんて無理なんだ、全員が納得する答えなんかありゃしない。

「黒い羊」として 悪目立ち

自分を滅してまでも他者に同調して生きていこうなんて思わない。
反対が僕だけだからと説得されても、自分を簡単には捨てられない。
自分を捨てて「白い羊」になってしまえば、周囲とも上手くやっていけるのは分かっている。
それでも捨てられないもの・譲れないものが僕にはある。それを失くした瞬間に僕は僕でなくなってしまう。
だから僕は僕自身であるために「黒い羊」のまま悪目立ちしていよう。

全部 ぼくのせいだ

他者との違いによる軋轢、そして乱れは 全部 ぼくのせいだ。
まるで「生まれて、すみません」と言っているようにも聞こえる。
自我を捨て若しくは抑えて、上手く生きていければ良いのは分かっている。
それでも不器用に自分が譲れない道を進むことしか出来ない。
「白い羊」のふりをする=自分らしさを自分自身で殺すことは どうしても出来ない。
こんな状況にあるのは、昇華できない自分自身に起因している。

「全部 ぼくのせいだ」

黒い羊 白い羊

白い羊は「黒い羊」である自分以外の他者。
また自分自身の中にある「白い羊」と「黒い羊」、自己の二面性も表していると思われる。

自分の中にある「黒い羊」がいなくなれば、止まっていた針はまた動き出すだろう。
自分の中にある消せない灯を燃やし続ける事、そして他者と社会で繋がって上手くやっていこうとする事を調和させようと考えること まさに「不協和音」「アンビバレント」な状況とも言える。

MV と まとめ

MVには「彼岸花」が出てきており 何かを象徴していると思われます。
冒頭の人型ロープの周りの彼岸花
「全部 ぼくのせいだ」で彼岸花を握り潰し手放してしまう
幼い頃自分から彼岸花をまた受取り屋上へ
彼岸花を手に混沌の中でもがき、そして彼岸花を手に進むことを決心する

「彼岸花」は彼の岸を目指す心の象徴であり彼の岸とは「覚り」
自分が自分自身でいられる場所、「彼の地」を求め進む道は孤独で険しい道
その道を捨てることは死んだも同然、失いかけたとしても何度でも「彼岸花」を手にして その道を進み続ける

「黒い羊」は厄介者、「白い羊」のふりをしてやり過ごせばいいのだろう。
けれど自分に嘘をついて生きてなんかいけない、それならば「黒い羊」としてここで悪目立ちしていよう。

「黒い羊」の表題に隠された三角形は頂き、欅坂46が登ってきた坂道の先にあるその孤高の頂きをも「黒い羊」は表しているのであろうか?

2019年、欅坂46がその頂きに立ち 孤高のグループとして更なる飛躍をされることを心より願っております。

 

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